2020年3月2日月曜日

カーナビの昼夜表示が変になった

 わが家のゴルフ号、フォルクスワーゲン ゴルフ3、にはカーナビとして、ユピテルさんのポータブルナビ”YPB554”を使用しています。このカーナビは、それまで使っていたPSP+MAPLUSポータブルナビを不慮の事故で故障させてしまったため、一年半ほど前に購入して使用していました。

 ところがこのカーナビ、いつの頃からか、日が沈んでも表示が昼モードになったままで、暗闇の中で白基調の背景でバックライトを煌々と照らしているという症状に悩まされていました。



取りつけタイプのカーナビの昼夜モード



 カーナビには大抵、昼モードと夜モードというものが備わっていると思います。昼モードは明るい車内でもカーナビが見やすいように、白っぽい背景の地図に、バックライトも明るめにしていたりします。一方、夜モードは、車内が暗いことを想定して、黒っぽい背景の地図に、暗めのバックライトとして、暗がりに慣れた目に不必要に明るい光を入れないようにしてくれているようです。

 クルマに取り付けられているカーナビの場合、クルマから電源だけでなく走行速度情報などの情報を取得していて、その情報の一つにヘッドライトの点灯状況があります。このヘッドライトの点灯状況から、昼か夜か(というより、ヘッドライトを必要とする明るさかどうか)を判断して、昼モード、夜モードを切り替えることができます。もっとも、最近のクルマは、直接周囲の明るさを検出して切り替えているかもしれませんね。


ポータブルナビの昼夜モード



 ポータブルナビは、その名の通り”ポータブル”なので、クルマから容易に取り外しできるようになっているため、クルマとは電源ケーブルしか繋がないものが多いと思います。そのため、取りつけタイプのカーナビのようにヘッドライトの点灯状況から周囲の明るさを推測することができません。

 では、どうやって昼モード、夜モードを切り替えているのでしょうか。

 時刻が判れば昼か夜かが判るので、たとえば、午前6時から午後6時までは昼モードとし、午後6時から翌朝の午前6時までは夜モードとする、ということができそうです。しかしながら、季節によって日の出・日の入りの時刻は変わるので、これだと夏場はまだ明るいうちに夜モードになってしまったり、冬場は暗くなってからもしばらく昼モードが続くといった感じになり、適切な切り替えとはならなそうです。そこで時刻だけでなく日付も判るなら、日の出・日の入りの時刻が判るので、その時刻に合わせて、昼モード、夜モードの切り替えを行なうことで、季節に合った昼モード・夜モードの切り替えが実現できそうです。


症状



 そんなわが家のポータブルナビですが、いつの頃からか日が沈んで周囲も暗くなっているのに、いつまで経っても夜モードにならず、車室内を煌々と照らす眩しいカーナビとなってしまっていました。この異常に明らかに気づいたのは去年の年末でしたが、去年の秋ごろからなんとなく違和感を覚えており、その頃はそんなに大きくずれていなかったので、まあそんなものかとあまり気にしていなかったのでした。


すっかり日も暮れたというのに煌々と輝いているカーナビの画面

 上の写真のように、周囲はすっかり暗くなっているのに、カーナビの画面はこのように明るく光り輝いているのです。ではいつになったら夜モードに切り替わるのかと様子を見ていると午後6時40分頃に夜モードに切り替わっていました。このように切り替え時間が中途半端な時間であることから、昼モード・夜モードの切り替えは、年間通して同じ時間に切り替わるのではなく、日付に連動して切り替え時間が変わっているのではないかとの推測が立ちました。

 上の写真をもう一度見ると、カーナビの示す時刻は午後5時46分となっています。撮影したのは今年の1月中旬だったのですが、この頃の埼玉県の日の入り時刻は午後4時50分頃となっています。なんらかの原因で、日の入り時刻を勘違いしてしまっているのではないかと思われました。

 ただ、ここで一つ不可解なのは、去年の冬にはそんな現象に遭遇していなかったはずなのです。

(日の入り時刻は国立天文台のページを参考にさせていただきました。)


GPS週数ロールオーバー



 というわけでいろいろとネットを徘徊したところ、この原因と思わしき事象に辿り着きました。それが”GPS週数ロールオーバー”と呼ばれる事象です。

 なんでも、GPSでは「GPS時」と呼ばれる独自の時刻体系が使われていて、現在の時刻を、1980年1月6日午前0時(日本時間の午前9時)を起点として、この起点から○週目の○秒目という具合に「週」と「秒」だけで表現しているとのことです。それで、この週の数が1023までしか数えられず、1024週目になると0週目に戻ってしまうというのです。

 この0週目に戻る事象が、2019年4月17日に発生していたというのです。このことから想像するに、GPS上では1024週前の日付であると認識していて、つまり、2020年1月は、2000年5月頃だと認識しているのではないかと推定できます。

 試しに、前出の国立天文台のページで今年の5月の日の入り時刻を調べてみると、午後6時40分前後。これはもう、このカーナビの異常はこの”GPS週数ロールオーバー”に原因があるとみて間違いなさそうです。

(GPS週数ロールオーバーについては、こちらの内閣府宇宙開発戦略推進事務局のホームページに詳しく説明してありますので、ご参考まで)


GPS週数ロールオーバー問題の解消方法



 さて、わが家のカーナビがおかしくなった原因は判ったのですが、これを直せるかどうかが問題となります。

 こちらはそんな悩むほどでもなく、ちゃんとユピテルさんのホームページに問題の解消方法が掲載されていました。

 ユピテルさんのホームページからアップデーターをダウンロードして解凍し、microSDカードにそのファイルをコピーしたのち、そのmicroSDカードをポータブルナビに差し、リセットボタンを押すと、数秒でアップデートは完了します(※正確な手順は、ユピテルさんのホームページで確認してください)。

 こうして更新したポータブルナビの表示は以下のようになります。日の入り時刻を迎えたとはいえ、まだ周囲が明るい午後4時53分、ポータブルナビの表示は暗色系の夜モードに切り替わっていることが確認できます。


キャプション

 これで夜も安心してドライブを楽しむことができそうです。



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